| 投稿日 | 2011.11.05 Sat 21:30:12 |
| お名前 | ひな |
| 性別 | 男性 |
| 演奏会名 | 第59回全日本吹奏楽コンクール 職場・一般の部 |
演奏会日時 会場 | 2011年10月30日(日) 青森市文化会館 |
| コンサートレポート | 鏡野吹奏楽団 V/「水文」〜吹奏楽のために〜 中橋愛生 自分が「水文」ではなく「水紋」と勘違いしていました。曲が進むにつれて「川下り」を思い浮かべ、違和感を払拭してくれました。大正時代あたり、京都嵐山〜淀川〜御堂筋、そして海へ。そんな物語がありました。
佐賀市民吹奏楽団 X/ラッキードラゴン 〜第五福竜丸の記憶〜 福島弘和 戦争のユーモラスな一面。最前線で敵艦隊を爆砕するとき、味方の士気を上げるために「最も撃破の多かった艦にはワイン1ダースを出すぞ」などと司令官が語るようです。ラッキードラゴンは、被曝した当事者の記憶ではなく、米国側から客観視した資料を元に映画化したような印象がありました。あと、福竜丸の悲しい記憶の表現よりも、自分たちが全国の舞台で演奏できる喜びが勝ったようでしたね。
秋田吹奏楽団 T/交響曲1997「天・地・人」より 譚盾/天野正道 特に、フレーズの処理に技巧を凝らした課題曲は、スラリと背筋の伸びた女性が、流々と街中を歩きながらウィンドウショッピングをしているようです。自由曲は、秋田ワールド全開! 勢いが止まりません。
川越奏和奏友会吹奏楽団 X/「サロメの悲劇」より 海上の魔法・稲妻の踊り・恐怖の踊り F.シュミット/佐藤正人 精密機械のように連動した艦隊運動を見せられて、敵は戦う前に戦意を喪失する。そんな圧倒する戦いです。自由曲も技術の高さは音を見るが如く。この日、初めて同団体の演奏を聴いた人にとっては尚更だと思います。しかし、個人的には07・09年と聴いた演奏に比べると、それ以上でもそれ以下でもないと感じてしまいました。もっと特別な何かを期待していたのですが、どこまでも冷静な演奏だったと思います。
倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニー W/交響詩「ローマの噴水」より O.レスピーギ/木村吉宏 小学校入学後、初の春の遠足。心は弾み、先生に注意され渋々列を整える。そんな生徒の姿が目に浮かびます。そして、自然の森で過ごす子ども達。DSやWiiは無くても、好奇心があれば自然は微笑んでくれますね。
グラールウインドオーケストラ X/追憶 〜Dream fragment〜 江原大介 どこか日常的なイメージ。主婦がスーパーで繰り広げる買物戦争のようです。タイムサービスに駆け巡る足音、店を閉めた後で値引きシールを貼り間違えて愕然とする店員、等々。自由曲では、帰宅して夕食を作っていたら、夫婦がすっかり忘れていた「結婚記念日」を、子どものサプライズで思い出し、二人の軌跡を回想するようです。
創価学会関西吹奏楽団 T/コリアン・ダンス 高昌帥 去年、ほんの僅かに取り逃したものを持って帰るんだと。課題曲のホルンの裏打ちにも、鬼気迫るものがありました。自由曲では、歴代中国皇帝の霊が舞い降りてきました。一心不乱に、演奏に没頭する様子は圧巻! 聴衆としては3回目(大阪〜関西〜全国)でしたが、今日の演奏がぶっちぎりの一番です。
浜松交響吹奏楽団 U/シダス T.ドス 強弱の起伏が大胆で、ソノーレ・ウインドアンサンブルの演奏を聴き終えた後に「近年は、こういう演奏の方が好まれるのだろうか」と思いました。しかしながら、他の団体が軒並み丁寧な演奏であったためか、浜松交響吹奏楽団の「目に見える分かりやすい演奏」が、逆に存在感を示したように思います。
宝塚市吹奏楽団 T/キメラ 〜ウインドオーケストラのための〜 高昌帥 曲のイメージは、関西大会で書いた通り。今日も、丁寧さと温かさと歌心。同団体の世界観を存分に味わわせて頂きました。
ソノーレ・ウインドアンサンブル V/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より B.バルトーク 自由曲の曲作りは、原曲のイメージとは異なるかもしれません。現代の中国、したたかな役人が、自身のテリトリーを固守するために、渦巻く人々を言葉巧みに操るようです。到達点の音楽を団員が共有していて、丁寧に丁寧に練り上げられた12分間であったと思います。
コンフォート・ウィンドアンサンブル U/ウインドオーケストラのためのマインドスケープ 高昌帥 この日のために積み重ねてきた歴史、また道中を想う、何とも切ない課題曲でした。
ウィンドアンサンブル ドゥ・ノール T/吹奏楽のための典礼風序曲 野田暉行 キビキビと歯切れの良い表情は、自衛隊の行進を見ているようです。
東京隆生吹奏楽団 T/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」より C.オルフ/J.クランス 例えば、一昨日の朝、東京を出発して、青森まで猛ダッシュで行進して来ました、というような勢いそのままに、躍動感全開の演奏です。終始、吹奏楽に対する情熱がありました。
尼崎市吹奏楽団 W/バレエ音楽「審問」より W.ウォルトン/木村吉宏 フレーズをゆったりと歌い、かと言って推進力が失われない。体育の日に、孫を前にした祖母が、はりきって行進するようです。自由曲は、死期の近いガン患者のイメージが出てきました。退院を目指して明るく振る舞いつつ、入院してできた時間で自身の過去を振り返る。内省がぐるぐる巡り、やがて何かを悟り昇天する。そんな物語を思い浮かべました。
玉名女子ウィンドアンサンブル W/てぃーだ 酒井格 数え間違いでなければ、奏者は42人だったと思います。青森はおろか、東北の地を訪れたのも初めて、という人も多いのではないでしょうか。恐らく人生で最も密度の濃い12分間であり、だからこそ、この時を大切にしようとする想いが存分に伝わってきます。九州なでしこの力強さとともに、終曲に近づくにつれて、私自身込み上げてくるものがありました。当日、最も感銘を受けた演奏であり、幸せな時間を共有できて、ありがとうございます。
創価グロリア吹奏楽団 X/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け・全員の踊り M.ラヴェル/平井哲夫 近代の戦争。人対人ではなく、ハードウェアによる機械的な戦争を垣間見た気がします。自由曲でも、全く乱れがありません。これは好みの問題で、ピカソとセザンヌのどちらが好きですか? と問われれば、個人的にはセザンヌですが、今日の演奏は「ピカソ」だったようです。
北見吹奏楽団 T/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」より C.オルフ/J.クランス 青森の地は名古屋より圧倒的に近いためか、09年の編成とは違い充実の人数。しかしながら、北見という極寒の地では、木管よりも金管が好まれるのでしょうか。金管の圧力に木管が踏ん張る。豪雪地域の根性を見ましたね。
泉シンフォニックウインドオーケストラ T/ラッキードラゴン 〜第五福竜丸の記憶〜 福島弘和 全く標準的、かつ模範的な演奏だったと思います。普門館に憧れる多くの生徒が、この演奏から学ぶべき所が多いと感じました。
相模原市民吹奏楽団 W/カプレーティとモンテッキ 〜「ロメオとジュリエット」その愛と死〜 天野正道 全国の舞台に慣れてしまったのか、たまたま今日は疲れていたのか、曲の構成はドラマティックでも、演奏がもっとドラマティックであればなあと思いました。どうしても、譜面をさらうような印象が拭い切れず、初心の新鮮さを思い出して欲しいと思います。
ヤマハ吹奏楽団浜松 X/氷結の花 中橋愛生 戦略における圧倒的な艦隊数の優位は、いかなる戦術も無力であると、教科書に書いていることを、最前線で全くそのまま実践した戦でした。自由曲では、あらゆる奏法によって、あらゆる自然の神秘を表現しているようでした。
アンサンブルリベルテ吹奏楽団 X/レ・クルール・フォーヴ 野獣派的色彩より T・U K.フサ ヤマハ吹奏楽団浜松とは異なるアプローチで、少数の艦隊でも精密に、かつ的確に運用すれば、難局は乗り越えられるのだという、輝かしい戦史を振り返るようです。ところで、野獣派的色彩とは、どの様な色彩なのか。昔、アメリカのオークションで、狸が描いた絵が高値で取引されたそうですが、自由曲は、偶然性の絵を左端から音符にしたかのよう。フサのイメージするものも、掴みどころが乏しく自由に解釈できる前衛的なものなのでしょうか。余談ですが、「エクストリーム・メイク・オーヴァー」や「カプレーティとモンテッキ」のようにはヒットしないでしょうね。
高松市民吹奏楽団 X/吹奏楽のための神話 〜天岩屋戸の物語による〜 大栗裕 新兵の初陣。恐怖感と闘いながら、殺られまいとマシンガンを乱射する。人間の野性的・原始的な色合いの強い課題曲でした。
出雲吹奏楽団 V/ドールズ・コレクションT 〜おもちゃの兵隊と〜 井澗昌樹 曲名を見ると、ポップス的な楽しさがあるのかなあと思っていましたが、本当は怖いグリム童話に出てきそうな、あるいは、京人形なのか、恐怖感とリアルな印象を受ける曲でした。
横浜ブラスオルケスター X/ピアノ四重奏曲第1番より V・W J.ブラームス/A.シェーンベルク・近藤久敦 当日の課題曲5の中では、最も色彩を感じました。自然の中での戦い、マタギが熊を追い詰めて打ち取るようです。それにしても「何でも自由曲にしてしまうなあ」と、演奏を聴くまで興味津々でしたが、編曲の妙! 古典の香りと、基礎力を全面に生かすところは、是非、中学生にもチャレンジして欲しいと思いました。
大曲吹奏楽団 W/交響曲第1番より W ラフマニノフ/築地隆 出だしの2小節で既に、大曲ワールド全開です。また、どこまでも濃いラフマニノフ。団員の統一感は、自分たちの力で復興を成し遂げるのだという、強い志を感じ、説得力がありました。それから、マイスターのタクトさばきが、いつも以上にハイテンションだったように思います。
百萬石ウインドオーケストラ W/吹奏楽のためのゴシック 木下牧子 低音群の刻みが大変力強く、巨人が行進しているようです。譜面を見ると細密に計算されて書かれていそうな自由曲。東洋の怖さではなく、ハッキリと形のある西洋的な怖さを感じました。例えばルーマニアのホラー、ナイフ片手に夫を切り刻んでも、女性の肉体美は失われない。恐怖の中に、どこか、うっとりと見とれる綺麗な印象がありました。 |
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